Bリーグ選手を襲う「ブラックボックス」の正体~契約の裏側に隠された罠~
皆さん、こんにちは!バスケットボール選手のキャリアサポーター、SEISのミツです。
これまで、このブログでは、選手の皆さんがキャリアを豊かにするための様々な方法をお伝えしてきました。
しかし、どんなに素晴らしいプレーをして、どんなに素晴らしい人間性を磨いても、たった一枚の紙切れで、あなたの人生が大きく左右されることがあります。
その紙切れとは、**「契約書」**です。
多くの選手が、契約書の隅々まで目を通すことなく、「この年俸でお願いします!」とサインをしてしまいます。
しかし、その中には、選手にとって不利な条件が隠されていることがあります。
私は、これを**「ブラックボックス」**と呼んでいます。
今回は、この「ブラックボックス」の正体を暴き、選手が契約書で損をしないための注意点について、具体的にお話ししていきます。
1. 契約書に潜む「ブラックボックス」の正体
なぜ、契約書に「ブラックボックス」が潜んでいるのでしょうか?
それは、クラブが将来のリスクを回避するために、様々な条項を盛り込んでいるからです。
① 怪我をした際の「年俸減額条項」
- どういうこと?:
- 契約書には、「怪我で長期間プレーできなかった場合、年俸が減額される」という条項が隠されていることがあります。
- 「フルギャランティー」(怪我をしても全額保証される)ではない場合、シーズン途中に怪我をしてしまったら、あなたの収入が大幅に減ってしまう可能性があります。
- 例えるなら…
- 会社員が病気で休職したら、給料が一部カットされるのと同じです。
- しかし、プロ選手の場合、怪我は「職業病」とも言えるものです。クラブにとってのリスクを、選手一人で背負うことになってしまうのです。
② 移籍を制限する「バイアウト条項」
- どういうこと?:
- 2022年シーズンからBリーグでは「移籍金」が廃止されました。しかし、それに代わるものとして「バイアウト条項」が契約書に盛り込まれていることがあります。
- これは、選手が契約期間中に他のチームへ移籍する際に、新しいチームが元のチームに支払う「契約解除金」を定めた条項です。
- なぜ罠なのか?:
- この金額が高額に設定されていると、他のチームがあなたを獲得したくても、金銭的な理由で移籍が難しくなってしまうことがあります。
- あなたの市場価値とは関係なく、クラブが移籍をコントロールするための手段として使われる可能性があるのです。
- 例えば・・・
- 「俺、次のシーズンはあのチームでプレーしたいな…」と思っても、バイアウト条項が高額だと、監督から「お前はもうウチのチームの"宝"や!誰にも渡さん!」と、まるで高額な壺を抱えられたかのように、移籍を阻まれるかもしれません。
③ 肖像権の「独占条項」
- どういうこと?:
- 契約書に、「あなたの肖像権はクラブが独占的に管理する」という条項が盛り込まれていることがあります。
- これにより、あなたが個人的にSNSやYouTubeなどで収益を得ることが制限されてしまう可能性があります。
- こんなこともあり得る・・・
- もしあなたがバスケの腕前だけでなく、ゲーム実況がめちゃくちゃうまくて、YouTuberとして成功したい!と思ったとしても、肖像権の独占条項があると、クラブの許可なく活動できない可能性があるのです。
2. 「ブラックボックス」から身を守るための「3つの武器」
これらの「ブラックボックス」から身を守るためには、どうすればいいのでしょうか?
武器① 契約書を「熟読」する
- どういうこと?:
- 契約書にサインする前に、一言一句、隅々まで時間をかけて読み込みましょう。
- 特に、年俸、契約期間、インセンティブボーナス、そしてバイアウト条項は、念入りに確認してください。
- 分からない言葉や、曖昧な表現があれば、クラブの担当者に納得いくまで質問しましょう。
武器② 「専門家」の力を借りる
- どういうこと?:
- 法律や契約の知識は、プロバスケットボール選手にとって専門外の分野です。
- 契約書にサインする前に、弁護士やエージェントといった専門家に相談しましょう。
- なぜ重要か:
- 専門家は、契約書に隠された不利な条件を見抜き、あなたの代わりに、クラブと交渉し、より良い条件を引き出すことができます。
武器③ 「なぜ?」を問いかける勇気を持つ
- どういうこと?:
- クラブから提示された契約書に、「なぜ、この条項が必要なのですか?」と問いかける勇気を持ちましょう。
- この問いは、クラブが選手をどのように評価し、どのように扱おうとしているのかを理解する上で、非常に重要です。
3. まとめ:契約書は「あなたの人生」そのもの
いかがでしたでしょうか。
契約書は、単なるビジネス文書ではありません。
- あなたの年俸、
- あなたの怪我のリスク、
- あなたの引退後のキャリア
など、あなたの人生の多くの側面を決定づける、非常に重要なものです。
だからこそ、クラブから提示された契約書に、安易にサインをしてはいけません。
「分からないから、まあいいか…」と流すのではなく、「自分の人生を守るため」に、しっかりと向き合いましょう。
もし「契約書の内容が難しくて分からない」「どうやって専門家に相談すればいいの?」といったお悩みがあれば、一人で抱え込まずに、ぜひ一度私にご相談ください。
あなたの夢を現実に変えるための「人生のパートナー」として、全力でサポートできることを心から願っています。
私はJBAのエージェント登録がまだなので… ※「当サイトは、個別の契約交渉や法的アドバイスを行うものではなく、一般的な情報提供を目的としています」 ※あくまで「選手自身が交渉に臨むための知識を身につける」ための情報提供を主体としています。